ホストクラブの内勤とは
一言に内勤といっても仕事は多種多様にわたります。ホール内勤、キャッシャー(レジ)、経営、求人、広報、技術者など様々です。
店舗によって人数も違いますが、最低2名から多い店舗では10名以上の店舗もあります。
内勤の仕事内容
内勤の仕事は大きく分けて、「物理的な店舗の運営」、「お客様へのサービス」、「従業員対応」の3つです。
物理的な店舗の運営
まず内勤が初めにするのは、店のオープンです。掃除メンバーの従業員よりも10分ほどはやく出勤して店舗のカギを開けます。
その後発注したお酒や備品の、掃除、音響、照明のチェックが入ります。
キャッシャーは前日のレジ金確認、必要であればおつり用の両替に行きます。
朝礼ミーティング、コール練習、声出しの指揮を執り、定時に店を開けます。
営業中は基本業務でキャストのサポートを行い、営業後はキャッシャーはレジ金チェック、翌日のための発注、店舗のカギ閉めや空調、照明の最終チェックを行い、始発が出る5:00(※)過ぎにカギを閉めて帰ります。
※ 一部営業の場合
お客様へのサービス
初回の場合
初回(フリー)でいらっしゃったお客様の案内は内勤が行います。
席までエスコートして、システム、メニューの説明、男本と呼ばれるスタッフ一覧をお渡しします。
基本的に初回のお客様は完全付け回し制で、内勤の指示でキャストが席に着きます。
最後のキャストが着き終わった後、送り指名と呼ばれる、その日に一番気に入ったキャストを内勤がお客様にお伺いします。
指名のお客様の場合
指名でいらっしゃるお客様はまず指名確認をして、担当キャストに伝えます。
基本的に指名のお客様とあまり関わることはありませんが、システムや入金に関する確認などは内勤に問い合わせることができます。
ホールスタッフはヘルプの付け回しや、アイス交換、ドリンクオーダーなどの基本業務、ラストオーダーのお伺い、シャンパンが入ったときにはコール準備も業務内容に含まれます。
従業員対応
この中で最も重視するべきは従業員対応です。
キャストのお客様は指名してくださるお姫様ですが、内勤のお客様は売り上げをあげてくれるキャストだと言っても過言ではありません。
同じ従業員ということで、なあなあになってしまったり、お互いに微妙な立ち位置になってしまうことが多い内勤とキャストですが、そもそもキャストがいないと店は成り立ちません。
だからと言って、キャストの意見を全て受け入れて好きなことだけさせていても、経営が破綻してしまいます。
キャストの意見を尊重しながら、店としての方向性は保つ。
そのための普段の行動ひとつひとつが内勤にとって大切な仕事です。
心掛けの行動
一癖も二癖もあるキャストをまとめあげるためには、まずはその人を知らないことには話になりません。
従業員の年齢、出身地から、何のためにホストをしているのか、好きなことは何か、嫌いなことはなにか、なにが大切でどんなときに怒るのか、とにかくなんでも知ることが大切です。
人生を賭けてホストクラブで働いているのに、自分のことを知ろうとしない人にとやかく言われても、誰も耳を傾けてはくれませんし、心に響くこともありません。
また、ホストは人に見られる仕事だからこそ、ホストも人をよく見ています。
口先だけで行動が伴っていない人、何かにつけて薄っぺらい人、損得ばかり考える人、そういう人はすぐに見抜かれてしまいます。そうなってはお互いに信頼して仕事をすることはできません。
内勤が必要な素質
ホストはひとりひとりが個人事業主のようなもの、つまりキャストの数だけ店には“社長”がいます。
やりたいことも、目指すものも、考え方もそれぞれ違う“社長”をまとめあげる力が、内勤に最も必要な素質です。
内勤に必要なスキルとは人間力です。
“この人と仕事がしたい”と思ってもらえるような関係を築くことです。
それは正確な仕事をこなすことであったり、キャストの心に寄り添うでことあったり、圧倒的なカリスマ性であったり、様々です。
人間ですから全てが完璧である必要はないです。
内勤の通常業務例
DJ
通常時のBGMを時間や混雑状況に合わせて適切に選曲します。
シャンパンコールを担当することもあります。
また、営業外では電子機器の発注や修理、業者との打ち合わせの仕事も請け負われます。
新人担当
主に面接や給与説明、体験入店者と一緒にヘルプ回りを行います。
新人の子はまず彼が窓口となって基礎を覚えます。
店舗運営スタッフ
面接や給与説明などの求人に加え、アルバイトのシフト管理、初回の付け回しなどホールの要として動きます。
初回(フリー)のお客様の案内、料金システム説明、お酒類の発注、ホール照明操作、店舗内装修理など、受け持ってる仕事は多岐にわたります。お客様に快適に過ごしていただけるように、店内の温度や湿度の管理も彼の仕事です。
キャッシャー
営業中は常にキャッシャー(エントランスレジ)でお客様のご案内、売上管理、お金に関わることを全て行います。内勤業務の中でも最もミスが許されない仕事なので正確さと責任感が問われます。
アドバイザー
求人統括として求人部門の従業員に指示を出し、広報としてSNSを中心にホームページ、求人サイトなどの更新を担当します。基本的に対外の業者対応も彼の仕事です。
普段はあまり店舗には出ずに事務所で社長、店長と共に店舗の方向性についてのミーティングを行います。
店長
経理のほとんどを担当します。
司法書士や弁護士、会計士の方との打ち合わせを主に、今後何年分もの経理予測を随時更新しています。毎日のキャッシャーの最終確認、日報報告など数字に関することの統括です。
社長
従業員が安心して働けるように、各業態の同業様とのコミュニケーションを全て担います。
また、従業員とのコミュニケーション、店の方向性の決定、とにかく店の判断、決定は彼を通して行われます。
また他にも講習担当、カメラマン、動画編集担当など様々な内勤が存在しています。
内勤がキャストを見ているように、キャストもまた内勤を見ています。
その目が監視の目ではなく、背中を預けられるような信頼や、失敗や不得手をカバーしようとする慈愛の目になったとき、素晴らしいチームワークがうまれ、店舗として発展していくことになります。