ホストの痛客とは？初回で見抜く特徴とタイプ別対処法

ホストにくる痛客とは?見分け方からタイプ別の対処法まで紹介!

ホストをしていれば、避けては通れないのが「痛客」の存在です。
暴言・暴力的な言動・酒癖の悪さ・過剰な要求など、タイプはさまざま。
どれだけ楽しませようと努力しても、非協力的・自己中心的なお客様に当たってしまうこともあります。
またホストクラブはお酒の場でもあるため、酔いが深まるにつれて「痛客化」してしまうケースも少なくありません。

この記事では、痛客とはどんなお客様か、初回での見分け方、タイプ別の対処法、そして基本の心構えまでを整理して解説します。
いざ当たってしまった時に慌てないためにも、ポイントを押さえておきましょう。

こんな方におすすめ

① 痛客ってどんなタイプがいるのか知りたい方
② 痛客の見分け方が知りたい方
③ 痛客の対処法に困っている方

ホストクラブの痛客とは

ホストクラブの痛客とは、ルールや常識を守れず、ホストだけでなく周囲にも迷惑をかけるお客様のことを指します。
ホストは対価をいただき、お客様を楽しませる仕事ですが、当然ながらすべての希望を叶えられるわけではありません。
それでも痛客は、その状況に付け込み、要求をエスカレートさせていくことがあります。

痛客の行動例

・ホストに暴力を振るう
・テーブルやコップなど物に当たる
・酒癖が悪く、吐いたり酔いつぶれたりする
・アフターや肉体関係を執拗に迫る
・他のお客様に声をかけたり、手をあげたりする
・独占欲が強く、ホストの行動を制限しようとする

痛客に多い考え方

・ホストには何をしても/何を言っても良い
・お金を払っていれば、何でも要望を聞いてくれる
・他の客を敵視し、過剰な嫉妬をする
・担当以外のヘルプや内勤にはキツく当たる

痛客対応は、冷静な話し合いや論理的な説明が通じないことも多く、かなり苦労します。
だからこそ、事前に「痛客になりそうなサイン」を把握しておくことが大切です。

【要注意】初回で分かる痛客の特徴・見分け方

痛客に当たるかどうかは、初回の巡り合わせによる部分もあります。
初回で完全に見抜くのは難しいものの、トラブルに繋がりやすい傾向は一定数あります。
上手に対応できればトラブル回避にも繋がるため、まずは特徴を確認しておきましょう。

酒癖が悪い

酒癖が極端に悪いお客様は、痛客になりやすい傾向があります。
お客様自身が飲んで言動が激しくなるケースもあれば、ホストに無理なペースで飲ませようとするケースもあります。
特に初回は相手のキャパやノリが分からず、止めにくいまま飲みすぎ・飲ませられすぎになりがちです。

お酒は健康面に深刻なダメージを与えることもあるため、イッキや度数の強いお酒ばかりを要求してくる場合は注意しましょう。
状況によっては、ヘルプを呼ぶことも視野に入れてください。

初回から枕狙い

初回から肉体関係の誘いをしてくるお客様は要注意です。
指名もない段階で誘ってくる場合、ルール無視を何とも思わない、または対価を払わず良い思いをしようとする可能性があります。
こうしたタイプは、初回以降も同じようにルール無視や都合の良い要求をしてくる傾向があります。

一度希望を飲んでしまうと、要求が際限なく増えることもあるため、最初のうちにきちんと断るのが重要です。
裏引きの提案をしてくるケースもあるため、絶対に乗らないようにしましょう。

マウントを取ってくる

マウントを取ったり、威圧してきたりするお客様も痛客の可能性が高いです。

例としては、以下のような発言が挙げられます。
「私の親、大企業の社長だけど」
「SNSに書くわ」
「ナンバー入りしたいんじゃないの?」
「他の店で〇〇円使った。条件次第で君にも使ってあげる」

関係性ができてからなら冗談や駆け引きになることもありますが、初回でこの態度だと、後々まで良い関係を築くのが難しい場合も多いでしょう。
ホストとお客様も人と人。お互いに楽しく過ごそうという意思がなければ長続きしません。

元ホストが教える:痛客の特徴とタイプ別の対処法

ここからは、痛客のタイプを4つに分けて対処法を整理します。
いきなり当たると上手く対応できないことも多いため、事前に確認しておきましょう。

① 被りに対して過激なタイプ

担当被りに対して異様なほど敵対心を持つタイプは、特に厄介です。
担当を独占したいだけでなく、被っている他のお客様を攻撃・排除しようとしてきます。

例えば、これ見よがしに担当との仲をアピールする、相手より高額のお酒を相手に聞こえるように注文する、
さらには「あの女を切って」と担当から外すように迫る、などが挙げられます。

対処法は、被りが起きにくいよう来店時間をホスト側で調整することです。
・来店時間をしっかり決め、時間を守ってもらう
・延長で被りが発生しないよう、事前に予定を確認して調整する

他のお客様の存在を匂わせないようにしつつ、前日のリマインドなどで時間管理を徹底しましょう。

② 過剰なスキンシップを求めてくるタイプ

初回・担当後に関わらず起こり得るのが、過剰なスキンシップを求めるタイプです。
手や肩に軽く触れる程度ならまだしも、周囲の目がある環境でも構わずキスを迫る、ホテルへ誘うなどのケースもあります。

対処法は、ホストクラブとそれ以外の時間の区別を分かってもらうトークです。
「今は会話を楽しみたいな」
「あまりそういうことは他人に見せるものじゃないよ」
「二人きりの時間のほうが集中できて嬉しいな」

「ダメ」と一刀両断するより、TPOへの配慮や「もっと楽しめる状況がある」ことを伝えると、波風が立ちにくくなります。
また、このタイプの提案する枕は後々要求が過剰になる可能性が高いため、基本的には応じないほうが良いでしょう。

③ 虚言癖タイプ

ホストクラブには、虚言癖のあるお客様も一定数います。
特に多いのが、太客アピールです。
親類がお金持ち、有名人と知り合い、高額のお酒を入れるチラつかせなど、息をするように話してくることもあります。

対処法は、真に受けず、適度に流すことです。
・適当に相槌を打ちつつ話題を変える
・「無理しなくていいよ」と伝えて、効果がないことを分かってもらう
・「今日はお酒もいいけど話もしたい」と、お金以外へ矛先を向ける

新人のうちは真に受けて疲れてしまいがちなので、距離感を意識しましょう。

④ 担当以外へのアタリが強い女王様タイプ

担当には愛想が良いのに、ヘルプや内勤に対して異様に態度が冷たいお客様もいます。
担当以外とは楽しそうにしない・無口になる程度ならまだしも、棘のある言葉遣いや無理難題を突きつけるケースも。

対処法は、姫自身の振る舞いを見直してもらう説得です。
ただし「態度が冷たい」「無口」といった領域は注意しづらいため、言い方が重要になります。

例としては、以下のような伝え方が挙げられます。
「他の人にも優しくできる君のほうが素敵だと思う」
「みんなに自慢できる姫であってほしいな」
「姫の振る舞いでホストの格も決まってくるから」

それでも改善が難しい場合は、他のホストや内勤と連携して、無理にサポートさせない運用に切り替えるのも一つです。
ただし例外を作りすぎると、仲間にしわ寄せがいく点には注意しましょう。

痛客に対する基本的な対処法

ここでは、タイプ別ではなく、ホスト側が共通して意識したい心構えを整理します。
痛客相手でなくても通じる内容もあるため、日頃から意識しておきましょう。

感情的にならず冷静に対応する

基本にして最重要なのは、感情的にならず冷静に対応することです。
痛客は話を聞かない、周囲に迷惑をかけるなど、苛立つ場面が多々あります。
しかし感情を爆発させると、こちらの落ち度になり揚げ足を取られ、収拾がつかなくなります。
心を乱さないのが理想ですが、まずは態度と言葉だけでも冷静さを保つよう心がけてください。
冷静な対応は、ホストとして必須のスキルです。

姫の言葉をむやみに否定しない

注意や説得の場面でも、否定から入るのは避けましょう。
痛客は感情的になりやすく、思い通りにならないことで爆発する方も多いです。
「でも」「どうせ」「だって」などの否定から入る言葉は、上から目線に受け取られやすく逆効果になりがちです。

まずは主張を聞き、理解を示しつつも、「こういう考え方もあるよね」と別の可能性に気づいてもらう方向へ持っていきましょう。
ただし、否定しない=同意するではありません。
同意してしまうと、説得や注意ができなくなるため注意してください。

普段から姫を思いやる行動を意識する

普段から姫を思いやる行動を積み重ねておくことも大切です。
自分が適当な対応をしたり約束を守らなかったりしていては、相手も聞く耳を持ちません。
尊敬・尊重できる存在になっておくことで、言葉に説得力や重みが生まれます。

下記は特に徹底しておきましょう。
・被りが発生しないようスケジュール管理を意識する
・その場しのぎの返事で、できない約束をしない
・必要なときだけでなく、普段から連絡を取る

基本を大切にするホストが、結局いちばん強いものです。

まとめ:手に負えない痛客の場合は先輩や代表に相談しよう

痛客の特徴や対処法を整理しました。ポイントは以下の通りです。

・痛客の傾向を把握して、できるだけ事前にケアする
・タイプ別に適切な対応を心がける
・冷静さを保ち、否定から入らない
・普段から姫を思いやって行動する

ただし、すべてを一人で抱える必要はありません。
自分の手に余ると感じたら、素直に先輩や代表に相談しましょう。
具体的な対処法を教えてくれたり、代わりに対応してくれたりするはずです。

ホストとして上に上がれば上がるほど、多くの姫を相手にすることになります。
痛客対応は避けて通れないスキルの一つ。先輩たちの対応を吸収し、売れっ子ホストへの階段を上っていきましょう。