ホスト業界はどう始まった?歴史から見るホストの変化と今

夜の街を華やかに照らすホストクラブ。
今では一つの文化として根付き、多くの人が憧れる職業となりました。
しかし、ここに至るまでの道のりは、決して順風満帆だったわけではありません。
ホストバブルとも言われる現代に至るまで、業界は多くの試練と進化を繰り返してきたのです。
今回は、そんなホストクラブの歴史を時系列でわかりやすく解説します。
誕生から現在まで、どのように変化し、どんなターニングポイントを迎えてきたのか年代別にまとめていきます。
【1965年】ホストの前身となる「ナイト東京」が誕生
1965年、東京駅・八重洲口駅にオープンした「ナイト東京」が現在のホストクラブの原型とされています。
もともとは「京の花」というグランドキャバレーでしたが、リニューアルを機に女性客をターゲットにしたダンスホールへと生まれ変わりました。
女性客は社交ダンスを楽しむだけでなく、男性ダンサーへチップを渡すことで、お酒を一緒に飲んだり会話を楽しんだりすることができたと言われています。また、男性ダンサーはアテンダントと呼ばれ、女性客にダンスを教えたり相手をする役割を担っていたと言われています。
しかし当時のアテンダントは店の従業員ではなく、固定給もありませんでした。むしろ、自ら入場料を支払い、店のスペースを借りる立場。収入はチップやドリンクバックが中心で、安定して稼げるのはごく限られた人気ダンサーのみでした。
当時の初任給がおよそ月3万円、そして入場料が1回5,000〜10,000円程度だったことを考えると場代を差し引いて利益を出すのは容易ではなかったはずです。
こうした厳しい労働体制のなかで、ダンサーたちは自分たちがより収入を得られる新しい仕組みを模索し始めます。
それがのちにホストクラブとして発展する、男性が女性をおもてなしする空間の始まりとなりました。
【1971】現代ホストクラブの形を築いた「クラブ愛」の登場
1971年、ホストクラブの歴史において大きな転換点となる店「クラブ愛」が誕生しました。
これは、のちにホストの父と呼ばれる愛田武が「ナイト東京」から独立し、自らの理想を形にした店舗です。当時、全国にホストクラブはわずか5件ほどしかなく、「クラブ愛」はまさに新時代を切り開く存在となりました。
最大の改革は、給料制の導入。
従来のh層とクラブでは固定給がないのが一般的で、ホストはチップやドリンク代頼りで不安定な収入環境に置かれていました。
しかし「クラブ愛」では、最低保証と歩合給を組み合わせたシステムを導入し、ホストが安定した収入を得られる環境を整備。
また、この改革とともに、清掃やオーダーなどを担当していた黒服の制度も廃止され、ホスト自身が雑務を行う仕組みに変更されました。その代わり、従業員としての待遇は大幅に改善され、働き方の基盤が整っていきます。
こうした仕組みは時代を経た現在でもスタンダードな体系として定着しており、まさに「クラブ愛」が現代ホストの基礎を築いたと言えるでしょう。
愛田武が立ち上げた「愛田観光グループ」はその後急成長を遂げ、今もなお歌舞伎町に本店を構える大手グループとして業界に名を刻み続けています。
【1991年】バブル崩壊でホスト業界が大きく後退
1991年、バブル経済が崩壊し、日本全体が深刻な不況に陥りました。
その影響はホストクラブにも及び、景気悪化によって女性客の足が遠のき、多くの店舗が経営難に追い込まれます。
当時人気を博していた「キャッツアイ」「夜の帝王」といった有名店でさえ閉店を余儀なくされるなど、業界全体が大きな打撃を受けました。
しかし、その一方で愛田武率いる「愛田観光グループ」は親族経営で無駄なコストが少なかったこともあり、この激動を生き残ります。さらに、倒産した店舗から優秀なホストを積極的に受け入れることで勢力を拡大し、不況下の中でも成長を続ける数少ないグループとして存在感を高めました。
【1999年】メディア露出でホストブームが到来
1999年頃になると、ホストたちがテレビ番組に出演する機会が増え、ホスト業界に大きな追い風が吹き始めます。
メディア露出によってホストの知名度が一気に上昇し、ホスト=華やかでカリスマ性のある仕事というイメージが一般層にも浸透していきます。
当時は「TOP DANDY」の流星、「愛本店」の城咲仁などがテレビで活躍し、ホストという職業が強い注目を集めました。
このメディア効果により学生ホストが増加し、業界が一気に活気づきました。
一方で、女性への取り立て問題や売春の斡旋と言った負の側面も社会的に取り沙汰されるようになり、業界全体の倫理観や運営体制が問われる時期にもなります。
華やかさの裏でトラブルも増えた、光と影が入り混じる時代だったと言えるでしょう。
【2003年】ホスト独立ブームが起こる
2003年頃、ホスト業界では独立ブームと呼ばれる大きな流れが生まれました。
それまでホストが独立して自分の店を盛るのはタブー視されていましたが、人気ホストたちが次々と独立を決断し、新店舗をオープン。
火付け役となったのは零士で、孫流れに続くように手塚や由良剛士といった実力派たちも独立を果たしました。これを機に「ホストが店を持つ」という文化一気に広まり、現在では業界内ではごく一般的なキャリアパスとして確立されています。
また同時期には、業界の健全化を目指すボランティア団体の「夜鳥の会」が発足。業界全体の透明性向上とイメージ改善に向けて、ホストたち自らが積極的な活動を行うようになりました。
【2003年~2005年】歌舞伎町浄化作戦の実施
2005年には、東京都知事・石原慎太郎による「歌舞伎町浄化作戦」が本格的に行われます。当時の歌舞伎町周辺では、違法営業や深夜の客引きなどが横行し、治安悪化が社会問題になっていました。
この浄化作戦により、法令違反を行っていたホストクラブを含む風俗店が約200店舗摘発され、多くが廃業に追い込まれました。
業界全体に大きな衝撃が走り、ホストクラブの運営体制やルール見直しが一気に進む契機となりました。
さらにその後の2008年にはリーマンショックの影響も重なり、経済不況でホストクラブの閉店が続出。
この時期はホスト業界にとって、まさに試練の連続だったと言えるでしょう。
【2018年】ネオホストの登場でホスト業界に新時代が到来
2018年頃になると、ホストの新しい働き方として「ネオホスト」が大きく注目を集め、業界は新たな転換期を迎えました。
ネオホストとは、従来のホスト像を覆す、より自由で柔軟なスタイルの接客をするプレイヤーのことです。私服勤務や、アルコールを飲まずにソフトドリンクで接客するスタイルなど、肩ひじ張らない親しみやすさが特徴です。
この変化により、ホストクラブはかつてのマダムが中心だった時代構成から、若い女性たちが気軽に来店する空間へとシフトしていきました。
客層の低年齢化とともにプレイヤーの数も増加し、ホスト業界全体が一気に盛り上がりを見せます。
それまでのギラついた夜の世界というイメージが薄れ、一般層でも足が運びやすいカルチャーへと変化したことで、ホストという職業の存在自体にも親近感が生まれ、人気がさらに拡大していくきっかけとなりました。
【2020】コロナ禍でホスト業界が深刻なダメージを負う
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大はホストクラブ業界にも大きな影響を及ぼしました。特に4月の発令された緊急事態宣言により、多くの店舗が営業を停止せざるを得なくなり、売上ゼロの状態が長期間続くことに。
休業期間中に経営が行き詰った店舗は、そのまま閉店へと追い込まれるケースも少なくはありませんでした。さらに、一部の店舗が要請に反して営業を続けた結果、クラスターの発生が報じられ、ホスト業界全体のイメージが悪化する事態にも発展します。
こうした状況下でホストたちの働き方にも変化が訪れました。
営業活動が制限される中、TikTokやYouTubeなどのSNSで発信を始めるホストが急増します。オンラインでの知名度向上を図る新しい働き方が広がり始めた時期でもあります。
コロナ禍は大きな痛手となりながらも、ホストの活動フィールドがリアルからデジタルへと広がるきっかけにもなりました。
【2021年】コロナ禍でも勢いが止まらないー新時代のスターが続々誕生
2021年は、コロナ禍真っ只中でありながら、ホスト業界にとって歴史的な快進撃の1年になりました。
歌舞伎町では年間5億2000万円を売り上げる超トッププレイヤーが登場し、ある大手グループからは年商1億円超えのホストが31名も誕生。
まさに、ホスト史に残る大記録が連発した年であり、業界が新たなホストバブルへ突入した象徴的な時期だったと言えるでしょう。
こうした盛り上がりの背景には、SNSの普及による影響が大きくあります。
Instagram・TikTok・YouTubeなどでホストの日常やキャラが見えるようになり、ファンとの交流文化が一気に加速。
特にZ世代の若い女性たちは、従来よりカジュアルな感覚でホストクラブを楽しむようになり、「会いに行く」「推す」「応援する」というエンタメ的な楽しみ方が主流に変化しました。
かつては成果至上主義だった業界も、現在ではエンタメ性やコミュニティ性を重視する価値観が広がり、ホストクラブそのものが新しい方向へと進化を続けています。
【2023年】ホスト業界に新たな躍進―記録更新と全国的な拡大が進む
2023年のホスト業界は、これまで以上に活気づいた一年となりました。特に注目を集めたのが、ROLAND GROUPの「THE CLUB」で活躍する「優士」さんの記録更新。
業界全体が右肩上がりの中、彼の成果は新時代のホスト像を示す象徴的な出来事となりました。
同じく歌舞伎町では、新規ホストクラブの出店ラッシュが続き、エリア全体がさらなる盛り上がりを見せます。
その勢いは東京にとどまらず、大阪ミナミ・札幌・すすきのなど全国主要エリアへと広がり、複数の大手グループが次々と店舗展開を加速させました。
こうした動きにより、ホスト市場は全国規模で大きく拡大。
指名度の向上とともに、ホストの質、影響力もこれまで以上に高まっていき、ホストクラブが夜の遊び場からエンタメ文化として確立されていく流れが強まった一年でした。
【2024年】歌舞伎町で売掛禁止・20歳未満入店禁止が本格始動
2024年4月、歌舞伎町ではホストクラブ業界の健全化を目的に、売掛の全面禁止と20歳未満の入店禁止が実施されました。
背景には、高額な売掛(ツケ払い)が原因で借金を抱え、若い女性が風俗業や違法な手段で返済を迫られるケースが増えていました。
行政はこの深刻な状況を問題視し、利用者保護の観点から、規制を強化しました。
これを受け、一部のホストクラブでは自治体と協力しながら
・売掛の完全撤廃
・明朗会計の撤廃
・サービス料の廃止
など、さらに踏み込んだ取り組みも進行中です。
また、20歳未満の入店禁止が導入された背景には、成人年齢が18歳へと下げられたことも関係しており、「若年層のトラブルを未然に防ぐ」目的も含まれています。
一方で、売掛の名称を立替金と言い換えるなど、実質的には従来の仕組みが存続しているケースも見られ、業界の課題はまだ残されています。
今後のホストクラブには、特別な時間を提供するエンターテイメント施設として透明性の高い運営が求められる時代へと進んでいくでしょう。
ホストクラブ業界は今も活気に満ち、多くの店舗が存在‼

ホスト業界はホストバブルと呼ばれる盛り上がりの中にあり、売上も店舗数も年々右肩上がりの傾向が続いています。
勢いは衰えるどころか、むしろ加速していると言っても過言ではありません。
2024年時点では、全国におよそ1,000店舗近くのホストクラブが営業しており、そのうち歌舞伎町だけで約300店舗が集中しています。
まさに日本最大のホスト街として圧倒的な存在感を誇っています。
さらに大手グループを中心に店舗の拡大・全国展開が進んでおり、ミナミ・すすきの・名古屋などの主要エリアでも続々と進展がオープン。これにより業界全体がますます活気づき、プレイヤーの活躍の幅も広がっています。
こうした流れから、ホストクラブの店舗数は今後も増加が予想され、市場自体が非常に勢いのある状態にあると言えるでしょう。
まとめ:活気あふれるホスト業界―今こそ挑戦のタイミング
長い歴史の中で、ホスト業界は数々の波を乗り越え、今では空前のホストバブルともいえる盛り上がりを見せています。
新しい働き方の誕生、SNSによる文化の拡大、そして業界全体のクリーン化など、これまでにないスピードで進化を続けているのが現在のホスト業界です。
チャンスが多い世界だからこそ、どのタイミングであっても挑戦する価値は十分。
その上で、一度ホストの歴史を振り返ってみると、「今の環境がいかに整っているか」を実感できるはずです。
現在では売掛禁止の取り組みなどにより、より安心して働ける健全な環境が整いつつあります。
この記事を読んでホストデビューに興味を持った方は、ぜひ自分に会ったお店を見つけて、第一歩を踏み出してください。
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